中小企業の賃上げ率平均
今年の春闘では満額回答連発となり、賃上げ率も5%といった数字が多く報道されていますが、中小企業の実態はどうなのでしょうか?今回は大同生命が全国の中小企業経営者(従業員数5人以下:47.8% 6~10人:18.8% 11~20人:13.7% 21人以上:17.9%)を対象として2024年3月に実施したアンケート調査の結果を見ていきたいと思います。
(1)賃上げの実施状況
昨年(2023年1月~12月)
実施した 55%
実施していない 45%
今年(2024年1月~12月)
実施済・実施予定 40%
検討中 32%
実施する予定はない 28%
実施済・実施予定の回答は業況により大きな差があり、業況が良い会社では54%となる一方、悪いと回答した会社では31%に止まっています。
(2)具体的な賃上げ率
具体的な賃上げ率については、昨年と大きく変わらない3.3%という結果になっています。
7.0%以上 4%(昨年6%)
6.0%以上7.0%未満 1%(昨年1%)
5.0%以上6.0%未満 9%(昨年7%)
4.0%以上5.0%未満 12%(昨年8%)
3.0%以上4.0%未満 17%(昨年16%)
2.0%以上3.0%未満 33%(昨年32%)
2.0%未満 24%(昨年30%)
賃上げ率に関しては、以上のような結果が出ていますが、この調査は3月に実施されたものであるため、その後、多くの企業がより高いベースアップを行った状況を勘案し、これよりも引き上げている例も少なくないのではないかと感じています。
いずれにしても中小企業の中でも賃上げができる企業とそうでない企業の格差が拡大していくことは確実な状勢にあります。