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2020.10.15
【助成金対応】同一労働同一賃金 「中小企業2021年4月までに行うべきこと」

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【助成金対応】同一労働同一賃金 「中小企業2021年4月までに行うべきこと」

大企業においては2020年4月から同一労働同一賃金が適用されています。中小企業においては2021年4月から適用されます。同一労働同一賃金の概要と、就業規則の変更、助成金の申請など2021年4月までに行うべきことについて解説しています。

同一労働同一賃金とは

「同一労働同一賃金」とは、正規雇用労働者(正社員)と非正規雇用労働者(契約社員、パート社員、派遣社員)を比較して不合理な待遇の差を禁止するものです。
仕事の内容、配置転換の範囲、仕事内容の変更の範囲などについて、正社員と異なる待遇をすることは許されますが、不合理な待遇差を設けること、また賃金についても不合理な差を設けることを禁止しています。

大企業は2020年4月~契約社員、パート社員、派遣社員すべてにおいて適用されます
中小企業は
2021年4月~契約社員、パート社員において適用されます
2020年4月~派遣社員において適用されます

↓同一労働同一賃金ガイドラインについて下記よりご確認ください。
同一労働同一賃金ガイドラインはコチラ

同一労働同一賃金のメリット・デメリット

●メリット
契約社員、パート社員が正社員と同等の仕事内容の仕事ができれば、同等の賃金を得ることができるということになりますので、契約社員、パート社員の期待感、納得感が得られます。また、正社員においても契約社員、パート社員と同等の仕事しかできなければ、同等の賃金しか得るができないので、危機感が生まれ、会社全体の生産性向上に繋がります。
(契約社員、パート社員は正社員との待遇の差について事業主に説明を求めることができます。事業主には説明義務があり、具体的な説明責任があります)

●デメリット
デメリットとしては、コスト面にあります。正社員と同等の仕事をする契約社員、パート社員に正社員と同等の賃金を支払う必要があるので、必然的に人件費の負担は大きくなります。

同一労働同一賃金のデメリット解決方法

●就業規則・賃金規定による解決方法
① 正社員と契約社員、パート社員の仕事内容、役割の差を就業規則に明確に定める
② 手当等の趣旨を賃金規定に明確に定める
上記2点の方法等で、正社員と契約社員、パート社員で支給する手当を明確化する

例:転勤を伴う場合の住宅手当
① 転勤を伴う労働者は正社員に限り、契約社員、パート社員は転勤を伴わないことを就業規則に明確に定める
② 住宅手当は転勤に伴う住宅費を填補する手当ということを明確に定める

●キャリアアップ助成金の申請による解決方法
中小企業において2021年4月より賃金を上げる必要性がある労働者がいる場合。
(契約社員、パート社員)
2021年4月までに正社員等へ転換し、キャリアアップ助成金の申請をすれば、人件費の補填になります。2021年4月から賃金を上げる必要性のある労働者がいる場合。申請されることをオススメします。
↓キャリアアップ助成金の概要について下記よりご確認ください。
キャリアアップ助成金の概要はコチラ

同一労働同一賃金関連の最高裁判例判例①平成30年6月1日判決

●ハマキョウレックス事件 平成30年6月1日判決
<概要>
正社員には支給があり、契約社員には支給されない手当があり、不合理だということを訴えた判例
<判決>
不合理、違法→通勤手当、無事故手当、作業手当、給食手当、皆勤手当
不合理ではない→住宅手当
<不合理ではないとされた判決理由>
転勤があるのが正社員に限られていたため

↓ハマキョウレックス事件 判例文
ハマキョウレックス事件 判例文はコチラ

●長澤運輸事件 平成30年6月1日判決
<概要>
正社員には支給があり、定年後再雇用の契約社員には支給されない手当があり、不合理だということを訴えた判例
<判決>
不合理、違法→精勤手当
不合理ではない→住宅手当・家族手当・賞与
<不合理ではないとされた判決理由>
定年に達しており長期勤務が想定されないため
老齢年金の受給が想定されるため

↓長澤運輸事件 判例文
長澤運輸事件 判例文はコチラ

【最新追加】同一労働同一賃金関連の最高裁判例判例②令和2年10月13日・15日判決

●大阪医科大学事件 令和2年10月13日判決
<概要>
正社員には支給があり、パート社員には支給されない賞与が不合理だということを訴えた判例
<判決>
不合理ではない
<不合理ではないとされた判決理由>
職務内容と配置の変更の範囲に「一定の相違があったことも否定できない」と指摘し「不合理であるとまで評価することができるものとはいえない」とし棄却された

↓大阪医科大学事件 判例文
大阪医科大学事件の判例文はコチラ

●メトロコマース事件 令和2年10月13日判決
<概要>
正社員には支給があり、契約社員には支給されない退職金が不合理だということを訴えた判例
<判決>
不合理ではない
<不合理ではないとされた判決理由>
職務内容と配置の変更の範囲に「一定の相違があったことも否定できない」と指摘し「不合理であるとまで評価することができるものとはいえない」とし棄却された

↓メトロコマース事件 判例文
メトロコマース事件の判例文はコチラ

●日本郵便事件 令和2年10月15日判決
<概要>
正社員には支給があり、パート社員には支給されない手当・その他待遇が不合理だということを訴えた判例
<判決>
不合理で違法との判決
<不合理と判断された内容>
扶養手当・住宅手当・勤務手当(年賀状で忙しい年末年始に支給)
夏季冬季休暇(有給)・病気休暇(有給)・お盆と年末年始の休暇・祝日の賃金


★まとめ★
令和2年10月13日の判例では「不合理であるとまでは評価することができない」として棄却されたが、最高裁は「格差の状況によっては不合理との判断があり得る」とも指摘しています。
また、厚生労働省の同一労働同一賃金ガイドラインにも、正社員全員に何らかの賞与を支払っているのに、契約社員に支払っていない場合は問題となる例として紹介されています。
よって、契約社員、パート社員ということだけで賞与、退職金を支払わなくて問題ないということは言い切れず、職務内容、配置変更の範囲等によって判断されると考えられます。
令和2年10月15日の判決では、すべてに不合理で違法との判決が下りました。
よって、手当・待遇について明確に示すことができなければ不合理と判断されます。
結論としては、就業規則、賃金規定等に明確に明記し、正社員と契約社員、パート社員を明確に区分し、手当の内容について明確化することが必要ということになります。

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