ハイブリッドワークとは
直近の企業におけるテレワークの実施状況について、先日公開された国土交通省実施の「テレワーク人口実態調査」(令和5年度)の結果を見ていきたいと思います。この調査は就業者を対象として2023年10月~11月の間にWEBを通じて行われたもので、有効サンプル数は40,000人となっています。
今回の調査結果によると雇用型就業者のテレワーカーの割合は、全国で24.8%(1.3ポイント減)となりました。全国的に減少傾向である一方で、コロナ禍以前よりは高い水準を維持しており、特に首都圏では、R4年度調査よりも1.9ポイント減少となったものの約4割の水準が維持されています。また、コロナ禍以降の直近1年間のテレワーク実施率は、全国どの地域においても減少傾向であったものの、コロナ流行前よりは高水準であると推測されるということです。
次に、テレワーク実施頻度については、直近1年間のうちにテレワークを実施した雇用型就業者のテレワーカーにおいては、週1~4日テレワークを実施する割合が増え、出社とテレワークを組み合わせるハイブリッドワークが拡大傾向にありました。
以上の調査結果から、テレワークが雇用型就業者に一定程度定着しているということ、中でもテレワークと出社を組み合わせるハイブリッドワークという形が多く取られているということがわかります。また今回の調査でも触れられていましたが、「通勤の負担軽減」「子育てのしやすさ」といったメリットは多くの就労者から評価されています。
ただ一方で、ほかの調査などでは職場でのコミュニケーションの減少や、仕事とプライベートの切り替えの難しさといったデメリットも指摘されているほか、今月に入り、長時間のテレワークにより精神疾患を発症したと訴える女性が労災認定されたという報道も注目を集め、テレワークの時間管理の難しさも改めて指摘されたところです。
企業においては、このようなメリットとデメリットの両方をバランスを考慮しながら、ハイブリッドワークという選択を行っていると考えられます。テレワークに関する施策は、今後も継続的に今回のようなデータや従業員の声を注視しながら、自社の働き方への取り入れ方をアップデートし続けていくことが求められます。